私の初保健室旅。
今日、先週位から痛くなり始めた腹痛が、
とびきり痛くなった為、
仕方なく保健室に行った。
今までは少し調子が悪くても
「まぁ何とかなるだろうw」
なーんて感じに、放っていたのだが…
今日は特別だったから。
(何が特別だよ。)
保健室に行くと、先客が居た。
同じクラスの男子だった。
そういえば、昨日もこんな調子で教室に居なかったっけな。
なーんて思いながら、
熱を測った。
36.2℃
いつもより低い…w
まぁいいや、関係無いしと思いながら、
湯たんぽをもらう。
腹痛では、大抵の場合、
湯たんぽ1つで
「じゃ、頑張ってね」
と追い出される。
熱が無い限り、
寝かせてもらえないし、
早退も出来ないらしい。
だからその先客は、帰れないらしい。
「休めば良かったのに?」
と湯たんぽをお腹に当てた私が言うと、
「ん~…」
と青緑(?)のマスクをした先客。
会話になってないが、何となく分かった。
そして私は授業をしていた音楽室に戻る。
いろんな人に「大丈夫?」と声を掛けられたけれど、
もうそれにも返事が出来ない位、腹痛は激しくなっていた。
悟った人達は、それ以上何も言わない。
悟れなかった人達は、その後何度も「大丈夫?」と聞いてきた。
2時間目。
トイレにこもっていて、少しだけ遅れた。
もっと激しくなった腹痛に耐えながら、席に座って授業を受けた。
痛みが来る。
引いていく。
また痛みがやってくる。
また引いていく。
痛みには、波があった。
痛みの波が来ると、声も出なかった。
中休み。
すっかりぬるくなった湯たんぽをお腹に当てながら、
保健室に向かった。
するとまた同じ先客。
いつから居んのよw
そう思いながらも、
湯たんぽのお湯を取り替えてもらった。
ソファにどでかいスペースを取って座っている先客に(マジで体大きすぎる)、
「だるいの?」
と熱い湯たんぽをお腹に当てた私が言う。
先客は静かに頷く。
「風邪じゃない?」
と言うと、
先客は
「ん~ん…」
とだるそうに目を閉じた。
放課(今の中学校は休みと呼んでいるが、小学校の時は放課と呼んでいた。普通逆じゃないか?!)だった為、先客を教室に連れて帰ることにした。
教室に。w
「はいはい、頑張って行って来て」
と先客に言う保健の先生をちらりと見てから、
先客と私は保健室を後にした。
少し歩いて、階段の前で、先客が
「ちょっとトイレいってくる」
と言ったので、私は
「じゃ、先に行ってるね」と、
重たい足と腹を無理矢理動かして、
ゆっくりと4階に向かった。
3時間目は保健体育で、
女子と男子に分かれていた。
ちょうど女子の先生が通りかかった為、
聞こえるギリギリの声で
「今日の体育は腹痛なので見学させてください」
と言う私に、先生は
「はい」
と、目も合わせず返事をした。
4時間目は数学で、
前半と後半で分かれている。
前半の私と後半の先客は
中休みの後顔を会わせることも無く、
4時間目までを受けた。
弁当の時間。
先客は多分居なかったと思う。
先生が、
「一口でもいいから食べておきなさいよ~」
と何度も言っていたのに。
私も食欲が無くて、
残した事の無いお弁当を、
半分残した。
帰宅後、残された私の弁当を始めて見た母が、
「まずかった?」
と聞いてきたが、
「いいや、食欲が無かったから」
と弱く答えた。
清掃後、昼休み。
もう返す時間も無いし、だいぶ調子が良くなってきた為、
まだ少し暖かい湯たんぽを、
返しに行った。
そこに先客が居たのは、
言うまでも無い。
「あとちょっとだし、5時間目は勉強じゃないから、おいでよ?」
と手ぶらの私は言う。
新たに黄色のタオルをかけていた先客は、
だるそうなのが増しつつも、
コクコクと、首を縦に振ってくれた。
「じゃ、後で来てね」と、
今日1日お世話になった先生とまた後で会うだろう先客を少し見て、
ドアを開けた。
長かった、私の初保健室旅。